多焦点眼内レンズとは

白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズ(IOL)を挿入します。その中でも多焦点眼内レンズは、遠方・中間・近方と複数の距離にピントを合わせられる進化したレンズです。

多焦点レンズが選ばれる理由

多焦点眼内レンズを使用すると複数の距離にピントを合わせられるため、老眼鏡や遠近両用メガネをかける頻度を減らすことができます。

カバーできる距離が複数となり、スムーズな日常生活が実現します。医療技術の進化により、より自然な見え方が可能になっているのでスポーツなどをアクティブに楽しみたい方や中間距離(パソコン作業や読書など)の仕事や趣味を楽しみたい方にもおすすめできます。

種類によって得意な距離や状況が異なるため、ご自身の生活スタイルに合ったレンズの選択が重要です。

多焦点レンズのメリットとデメリット

メリット デメリット
メガネ依存度の大幅軽減 ハロー・グレアなどの光視症が起こることがある
遠方〜近方まで幅広い距離での視力改善 単焦点より高額な選定療養費がかかる
日常生活での利便性が大きく向上 特定の病気(網膜疾患等)がある方には不適切な場合がある
単焦点に比べて遠く・中間・近くすべてにピントが合う(裸眼で生活可能) ピントの合う位置は単焦点の方がクリアに見える

当院採用の多焦点眼内レンズ一覧

BVI社製「FINE VISION HP」

タイプ 回折型3焦点レンズ(+3.5D/+1.75D)
特徴 世界初の3焦点レンズとして高評価。ヨーロッパでは多焦点レンズ市場の40%を占める。
利点
  • 瞳孔径に応じて光量を自動調整
  • 夜間のハロー・グレア・スターバーストを軽減
  • 近方から遠方まで良好な視力が得られる
選定療養費 208,800円

HOYA社製「Vivinex Gemetric/Vivinex Gemetric Toric」

タイプ 回折型3焦点レンズ
特徴 Vivinex Gemetric Toricは乱視対応
利点
  • 光学性能に優れたHOYAの技術
  • 高精度な乱視矯正が可能(Toric)
選定療養費 Vivinex Gemetric 208,800円
Vivinex Gemetric Toric 238,000円

Johnson & Johnson社製「TECNIS Odyssey/Odyssey Toric」

タイプ 連続焦点型レンズ
特徴 Odyssey Toricは乱視対応
利点
  • 遠方〜近方まで滑らかな焦点移行
  • 残存屈折ズレへの高い許容度
  • 夜間光視症を軽減
  • TECNIS Odyssey装用者の93%が読書時に眼鏡不要
選定療養費 TECNIS Odyssey 288,000円
TECNIS Odyssey Toric 318,000円

見え方の比較表

レンズ名 タイプ 焦点範囲 乱視対応 特徴
FINE VISION HP 3焦点(回折) 遠・中・近 × 瞳孔径に応じ光配分、夜間視症軽減、欧州40%シェア
Vivinex Gemetric 3焦点(回折) 遠・中・近 × 日本製の精密設計、自然な見え方
Vivinex Gemetric Toric 3焦点(回折) 遠・中・近 上記+乱視矯正機能
TECNIS Odyssey 連続焦点 遠〜中〜近 × 高コントラスト、夜間光視軽減、93%が眼鏡不要
TECNIS Odyssey Toric 連続焦点 遠〜中〜近 上記+乱視矯正、昼夜を問わず明瞭な視界

まとめ

当院では多様なニーズにお応えできるよう、最新・高品質の多焦点眼内レンズをご用意しております。
日帰り手術で、クリアな視界と快適な生活を実現しませんか?
ご希望のレンズや費用についてはお気軽にご相談ください。